2023年(令和5年)10月開始のインボイス制度。「すべての事業者に関係があるときたけど。何からすればいいのかわからない」という方に向けて。買い手の立場で準備できることをまとめています。
※公開日または更新日時点の法令に基づき記載しています。
※わかりやすく解説するために法律の詳しい内容を省略、簡素化しています。
買い手の立場では、取引先の登録の有無が税額に影響します!
受け取ったインボイスの保存方法の検討
買手の立場では、消費税の計算において仕入税額控除をするためには、受け取ったインボイスは7年間保存しなければなりません。
取引先から受け取ったインボイスが紙である場合は、そのまま紙で保存します(電子帳簿保存法要件を満たした形でのスキャナ保存制度によるデータ保存も可能です)。
取引先から受け取ったインボイスがPDFデータであるなど、電子インボイスである場合は消費税においては出力して保存するか、電子帳簿保存法の要件を満たした形でデータのまま保存するかのどちらかとなります。
法人税や所得税では、電子取引データについてはデータ保存が求められるので(2023年12月31まで猶予となりました)、消費税だけのために出力保存することはないですよ。法人税、所得税のデータ保存に対応できれば消費税もOKです!
取引先への確認(仕入税額控除できるかどうか)
仕入れ先である取引先がインボイス発行事業者でなければ、仕入税額控除ができないので、取引先がにインボイス発行事業者に登録するのか確認してみましょう。
登録番号は T *************(Tと数字13桁) です。
法人の場合は T 法人番号 ですので、法人番号がわかれば登録済みかどうか、公表サイトにて確認することもできます。
個人はマイナンバー等ではなく、新たな番号がつきますので、個人の取引先の場合は直接確認することが必要です。
取引先と直接コミュニケーションが取れる場合は良いのですが、聞きづらい場合などは下のような文書による方法もありますので、参考にしてみてください。
適格請求書発行事業者登録番号の通知のお願い
〇〇株式会社
拝啓 貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
さて、令和5年10月1日より、インボイス制度が開始する予定です。そこで弊社の適格請求書発行事業者登録番号を御通知するとともに、貴社の登録番号についてお連絡をいただきますようお願い申し上げます。 敬具
記
1 弊社の適格請求書発行事業者登録番号を御通知いたします。
適格請求書発行事業者登録番号 T***********
2 貴社が登録手続きを完了されましたら、貴社の適格請求書発行事業者登録番号をお知らせください。なお、適格請求書発行事業者の登録をされない場合は、その旨ご連絡ください。
確認できると不安がなくなりますし、対応を検討することができます。
仕入れ先が登録しない場合の対応を検討
仕入れ先である取引先がインボイス発行事業者に登録しない場合は、仕入税額控除ができないため、その分の税額は買手側が負担することとなります。そのために取引価格を検討するなどの対応が必要となります。
ただし、一方的な支払額の減額や取引停止は独占禁止法上問題となるおそれもあるため、十分な協議を行う要注意が必要です。
主な仕入れ先である取引先が登録しない場合は簡易課税制度の選択も考慮に入れましょう。
これまでは課税仕入れであれば、取引先に関わらず仕入税額控除できたのですが、インボイス制度では、課税仕入れであっても、インボイスが必要になります。取引先の対応も気になところ。特にスモールビジネスではお互いが気持ちよく取引できるように、コミュニケーションをとって、対応を考えましょう。
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