親がアパートや他人に賃貸している家屋を所有していて、それらを子どもが管理し、そのアパートや賃貸家屋からの家賃収入を子供の通帳に入金されるようにしている場合、子どもの収入として確定申告して良いか?というような質問をたまに受けます。そこで、その質問について書いてみます。
※公開日または更新日時点の法令に基づき記載しています。
※わかりやすく解説するために法律の詳しい内容を省略、簡素化しています。
不動産収入の場合、所有者の所得になります。
その所得は誰のものとして考える?(所得の帰属)
所得税では、『資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するものとして、この法律の規定を適用する。』
では、収益を享受する者とは誰を指しているのでしょうか。
資産から生じる収益の場合
所得税法では、『資産から生ずる利益を享受するものが誰であるかは、その収益の起因となる資産の真実の権利者が誰であるかにより判定すべき』としています。
資産から生じる収益はその資産の所有者であるといえます。
- 利子。。。その元本である預金などの権利者
- 不動産の譲渡から得た収益。。。その不動産の所有者
- 配当。。。その株式の所有者
- 不動産収入。。。その不動産の所有者
したがって、『親がアパートや他人に賃貸している家屋を所有していて、それらを子どもが管理し、そのアパートや賃貸家屋からの家賃収入を子供の通帳に入金されるようにしている場合、子どもの収入として確定申告して良いか?』という質問に対しての答えは、
『家賃収入は、その不動産の所有者である父親の収益と考えられるため、その家賃収入は父親が確定申告する必要があます。』というものになります。
資産から得る収益の場合、誰の所得になるのかというところもという視点も必要ですね。
贈与税に注意が必要。
上記のようなケースでは、本来父親のものである家賃収入を子供が受け取っているため、その家賃収入を父親に渡していなければ、家賃収入の金額から管理に必要であった経費を引いた金額が、父親から子供への贈与とみなされ、贈与税が課税されることも考えられます。
『所得が誰のものか』贈与にまで話が及ぶ重要なことだったんですね。
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