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くもをさがす 〜西加奈子〜

日々のこと

西加奈子さん大好きで
ほとんど読んでいます。
どの作品も、深い感動と共感があって
大好きな作家さん。

この本は、その西加奈子さんが
カナダのバンクーバーで乳がんと診断され
治療の日々を送るノンフィクションです。

ただ、この本はがん治療の闘病日記ではなく
がんを治療している西加奈子という人の日記
だと感じました。
この本を読んでも、闘病という言葉は
頭に浮かびません。

それは、カナダで行われる医療者とのやり取りが
医療者対患者というものではなく
人対人のコミュニケーションだったからじゃないかなと
思います。

たとえば、医療機関の待ち時間に看護師が
「待ってる時間 spotify聞く?」
「私のでよかったら」
ときいてくれて、優しいねと声をかけると
何故かその看護師が爆笑した! との記述がありました。

カナダでの治療全体を通しても、友人との会話のような
医療者とのやり取りが(しかも日本語訳が大阪弁なので、
めっちゃ親しみ湧きました!)印象的でした。


自分の身におきた苦しみやいたみ、ガンさえも
「誰にも起こることがたまたま自分に起こったのだ。」
と客観視しながら
その苦しい治療の中にあった
「美しい瞬間」を大切に 弱い部分も全ては
自分が決めたこと。と「欠けたものがあっても
欠けたものがある全てとして」受けとめる。

自分に起きたことを 公平に客観的に見つめる
視点に、強さを感じました。

また
寂しさや辛さ 美しい瞬間も自分だけものも
という表現がすごく染みました。。

もちろん辛いとき、共感して慰めたり癒やしたりは
必要ですが、その悲しみ自体は自分だけのもので
いいんだというところ。


素敵なことはもちろんSNSでシェアもするのも
嬉しいのですが、
その時の気持ちは、自分にしかわからないものとして
大切にしたいと思いました。

大阪人、女性、母親という共通点があるからか
(もともと好きだし)共感しつつ読み進めることが
できました。

前向きで優しさたっぷりの本でした。

この本を読んで、
また「サラバ!」も読み返したくなりました!


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